料理人として働くにあたって、プライドを持つことは大事。でもそれ以上に大事だと思うこと。
こんにちは。
沸騰石の佐野です。
料理人として働くにあたって、プライドを持つことは大事です。
なぜなら厨房の中には、料理人じゃなくてもできる仕事が沢山あるからです。
料理人としてのプライドがないといつまでもその、料理人じゃなくてもできる仕事ばっかりやらされて、結果その人にはなにも残らなくなってしまいます。
料理人じゃなくてもできる仕事ができる人にはなれます。
さて、肉部門シェフのナンスの仕事が早いおかげで、彼がいなかったときに任されていた、肉のガルニチュールのポジションはなくなりました。
前までは、自分で在庫を確認して、発注物をシェフに伝えたりして、自分で組み立ててやっていました。ですが最近では、出勤したらナンスと一緒にガルニチュールの仕込みをやって、終わり次第前菜の仕込みを手伝うという流れになっています。
営業中も、始めのほうは前菜を手伝って、肉のオーダーがかかるようになったらそっちに行きます(メニューの流れ的に前菜、魚、肉と順番にオーダーがかかるから、始めは前菜が忙しく、後半は肉が忙しい)。
この、”足りないところを手伝う”みたいな働き方は、なんだか先週までいたスタジエ(まだ学生で見習い、給料は普通の人の半分とか)みたいだなと思いました。
僕はコミ(普通の料理人)として雇ってもらっているので、スタジエの倍近い給料がありますし、それなりに戦力を期待してもらってます。
そこで、先週まで自分で組み立ててたポジションを取り上げられ、言い方を変えれば周りにこき使われて、スタジエみたいな感じになってしまいました。
1つのポジションを任されているという責任がなくなったことでだいぶ楽にはなりましたが、逆にそのイージーさが、「これでいいのか、自分。」と、思わされるようになりました。
二つ星で働いたって、肝心なのは内容。なにをやったか。どこまでできたのか。料理人として仕事ができたのか。
前途しましたが、厨房の中では、料理人じゃなくてもできる仕事が沢山あります。
- サラダなどの葉っぱをちぎる作業
- 豆を殻から出すだけの作業
- さくらんぼとかの種を取り出すだけの作業
- 掃除
- 納品 などなど
なのでこれらは、料理人じゃない洗い場の人がやったり、サービスの人ががやったりします。
洗い場がいないことが多い日本では、多分1年目の料理人がこういうことをやったりするのではにでしょうか。
さすがにそんな誰でもできるようなことはやらされないですが、それに近いことはやらされてます。
ですが率直なことを言うと、今の気分はそんなに悪くないです。
なぜなら僕は料理人として一生食っていこうとは考えてないですし、期限も決まってますし、料理のこと以外にも文化や歴史、人間性など色々なことを知りたいです。
ですのでそんなにプレッシャーというか、ここでばっちり仕事ができなくても別にダメージが少ないんですよね。むしろさんざんな目にあったほうが話のネタになるんじゃないかなとか考えたりして。
そして、メリットもいくつかあって、
- 前菜の手伝いをやらされることによって、前菜のルセットも手に入れることができる。
- 仕事中余裕ができて会話が生まれる
- 会話が生まれることによってより多くのことを知れる
僕はまだまだ人として未熟ですし、色々なことを聞いて色々なことを知りたいです。
なので今いる、周りに日本人がいない環境の中で、仕事のことばっかり考えるのはちょっと損かなと。
(だって今日だって前菜で仕込んでるときに、フレッドってやつが日本の漫画について色々聞いてきた。)
まとめると、仕事だけに注力するよりも、それ以外のことに注力するほうが(コミュニケーションとか)、得られるものは大きいんじゃないかなってことです。
(様々な条件の上で)
それでは今日はこの辺で。