【フランスのカフェ事情その2】原価、抽出法、フランス人におけるカフェとは。
こんにちは。
沸騰石の佐野です。
前回はフランスのカフェについて基本的なことをまとめました。
これでフランスのカフェのことが大体分かったと思います。
その上で今回は、主に日本と違うところをまとめてますが、普通の人からしたらどうでもいいようなことも書いてます。
コーヒー好きの方、フランスのことをもっと知りたい方向けです。
その辺加味してご覧いただければ。
フランスのカフェ事情その2
コーヒーってなんであんなに美味いんだろう。
決定的な違い、原価と客数。
以前働いていたレストランで豆をいくらで買ってるのか聞いてみました。
豆1kgにつき20€だそうです。
ちなみに品質に関しては、”普通”と言ってました。
エスプレッソ1ショットで10g豆を使うとすれば、なんと原価は0.2€。
レストランだったのでちょっと高めに値段が設定してあって、確か3€くらいでした。
なので原価率は驚異の6.7%!!!
普通のカフェでも、テラス席ならば10%、カウンター席でも原価率15%ほどに収まります。
日本のコーヒーの原価はこれで収まりますか?
製菓学校に通っていた時のカフェの先生が、コーヒーは原価率が悪いしみんなゆっくり飲むから、アルコールを売らないと利益が上がらない的なことを言ってました。
かてて加えて客数です。
フランスに来れば一目で分かるのですが、どこの店も”入ってます”。
カフェタイムなんかは特にすごいです。どこの店も広いので、満席こそなりませんが、ほぼ店が埋まるくらい入ってます。
この原価率と客数があれば、日本よりも、フランスでカフェを経営するのは簡単でしょうね。
大事なのは立地くらいでしょうか。
タンピングしない!?
レストランでは、ボタンを押したら自動的に豆を挽いて抽出してくれるセブンイレブンタイプが多いですが、カフェには大きなエスプレッソマシンがあります。
エスプレッソマシンの使い方は学校で習いました。
ドーシング(粉を入れる)、レベリング(粉を均す)、タンピング(全体を押して平らにする)、フラッシング(ちょっと水だしてマシンの口を掃除する)、抽出。です。
僕が見てきたなかで、レベリングとタンピングをやっている店はありませんでした。
昔のことで忘れてしまったので調べてみると、このレベリングとタンピングをやらないと、抽出するときに粉に均等にお湯がかからなくなり、エグみなどの原因になるそうです。
フランスの機械が特別なのか、なんか秘密があるのか分かりませんが、そこまで厳密にやってないということなんでしょうね。
というか、一日何百杯もコーヒーを作るのに、そんなことしてたら大変なんだと思います。そしてお客さん側も、そこまで求めてないんだと思います。
その代わり、出てくるのは早いです。カウンター席だと30秒もかかりません。
味は前回でも話しましたがどこも一緒です。普通に美味しいです。
日本のカフェならばどうでしょうか。ボタンをポチるセブンイレブンタイプの店はいいですが、
エスプレッソマシンがあるところなら、やはりタンピングするのではないでしょうか。
美味しいコーヒーを、いつもありがとうございます(いま日本にいないけど)。
差別化して特別なコーヒーを出すカフェは少ない
要するに、日本でいう”椿屋”とか、”丸山珈琲”とか。ちょっと高いけど産地とか抽出方法こだわってるよ。みたいな店は全然ありません。
調べたら、あることはありました。パリだけですけど。
現在住んでいるニースとマルセイユも結構賑わっているのですが、検索しても見当たりませんでした。
このことから言えることは、フランス人はコーヒー飲むけど、高級なコーヒーにニーズは無いってことです。
カフェは昔ながらのでいい、それが最高。っていう感じですかね。
だから、そもそもの差別化が必要ありません。
日本ではカフェチェーン店いっぱいあります。
それぞれ経営陣が、考えに考え抜いて競合店との差別化を図り、お客さんをつかもうとしてます。
フランスではそんなもの必要ありません。カフェがあれば人は集まりますから。
フランス人におけるカフェとは
大事っちゅーこと!こんだけニーズがあるんだもの!
はい。というわけでフランスのカフェについて少し掘り下げてまとめてみました。
結局何が言いたいかというと、生産者も経営者も労働者も消費者もwinwinになれる
フランスのカフェって良いよねってことです。
日本のカフェは詳しく知らないですけど、全体的に飲食は労働者がまだちょっときついんじゃないかなって感じてます。
どうなったらよくなるんですかね。とりあえず過剰サービスやめてみる?
それでは今日はこの辺で。