【材料の性質を知ってお菓子作り】かぼちゃとにんじんのケーキ解説
こんにちは。
沸騰石の佐野です。
前回の記事のお弁当#6で登場した、かぼちゃとにんじんのケーキを紹介します。
また、今回はレシピだけではなく、お菓子作りにおいて大事な材料の性質も含めて解説します。
材料の性質を理解していると、自分なりのアレンジができたりしてお菓子作りの腕がかなり上がるので、普段からよくお菓子を作る方はぜひ参考にしてみてください。
かぼちゃとにんじんのケーキ
基本のパウンドケーキのレシピを参考にして、自分なりにお弁当のおかずになるようにアレンジを加えました。
また、水切りヨーグルトを挟んでありますが、それは塩の分量を間違えたからです。
ごまかしのために挟みました。
今回紹介するレシピは塩の量を修正したものなので、水切りヨーグルトは不要だと思います。挟んでもめちゃめちゃ美味いですが。
レシピ
- マーガリン 50g
- 砂糖 50g
- 卵黄 2個
- 薄力粉 70g
- 塩 1g
- にんじんピューレ 100g
- かぼちゃ 120gくらい
- (ベーキングパウダー 3g)
※本当はベーキングパウダーを入れたかったのですが、腐ってたので使いませんでした。ベーキングパウダーを入れないと泡ができなくて重い食感になります。それはそれで美味しいのですが、パウンドケーキのようにしたい方はベーキングパウダーを入れてください。
作り方
- マーガリンと卵黄は常温に戻しておく。薄力粉は振るっておかなくてOK。オーブンは180℃に予熱しておく。かぼちゃは、オーブンかレンジで事前に火を入れておく。
- マーガリンに砂糖と塩を入れて白っぽくなるまで混ぜる。
- 白っぽくなったら卵黄を入れてよく混ぜる。
- 薄力粉を入れる。ダマがなくなるまで混ぜる。
- にんじんピューレを入れて混ぜる。
- かぼちゃを入れて少し混ぜる。
- 180℃に予熱したオーブンに40分くらい入れる。
- オーブンから出してラップして粗熱を取る。
☆それぞれの材料の性質解説☆
少し難しいかもしれませんが、これを知ってると自分なりのお菓子がアレンジできますし、失敗することも減ります。
材料の性質を理解して一つ上のランクにいきましょう。
マーガリン
マーガリンは、バターと同じような性質で、砂糖を入れてかき混ぜると小さい泡を含んでくれます。パウンドケーキの場合は、その小さい泡がケーキにふわっと感をもたらせ、火も通りやすくしてくれているのです。
また、お菓子作りのレシピを見ると基本的にはバターが使われています。なぜなら、バターのほうがマーガリンよりも美味しいからです。
お菓子作りにおけるバターっていうのは、ダイレクトに味に影響します。フランスではバターがめちゃくちゃ美味しいので、スーパーで袋に入ってる焼き菓子とかでも、日本でパティシエをやっていた人が脱帽するくらい美味しいです。
なので、お菓子作りにはマーガリンよりかはバターを使ったほうが良いのですが、今回に限っては使わなくていいと思います。
なぜなら、今回作るのはにんじんとかぼちゃのケーキだからです。にんじんとかぼちゃの味さえ出てれば、あとはこっちでなんとかできるので、バターは使いませんでした。
砂糖
砂糖には様々な性質があるのですが、書ききれないので今回のケーキに関係あることだけ解説します。
砂糖は、水との結びつきがかなり強いです。
なので、基本のパウンドケーキを作るときに、砂糖の量を増やして同じ時間オーブンに入れると、おそらく水分が抜けきらなくて、中心が生焼けになってしまいます。
また、砂糖の量が少ないと水分が抜けすぎてパサパサになってしまいます。
より甘くしたい場合は、焼き上げた後にシロップをうったりして甘さを追加しましょう。
甘さを控えめにしたい場合は、はちみつなどを使い(はちみつの方が水との結びつきが強いので)、量を減らしましょう。
小麦粉
小麦粉は、水を含んで混ぜるとグルテンが発生します。グルテンが発生してしまうと、生地がふわっと焼きあがりません。
グルテンが発生しないようにするには、あまり混ぜないようにすることです。
なので、ほとんどのお菓子作りのレシピでは、小麦粉はふるいにかけてダマをなくしています。そうすることで生地に混ざりやすくなり、最低限の回数で済ませることができるのですね。
ですが、今回僕は小麦粉はふるいませんでした。なぜでしょうか?
それは、生地中に水分が少なかったからです。作り方をもう一度見てください。
小麦粉を入れる段階では、マーガリン、砂糖、卵黄しか入っていません。卵黄の水分はそれほど多くないので、ほとんどが油ということになります。
繰り返しますが、小麦粉は水分を含むとグルテンが発生します。油の場合はグルテンは発生しません。なので、ふるわずに小麦粉を混ぜてもグルテンが発生せずに生地の中に分散していってくれます。
卵黄
卵黄には、油と水分を乳化させる力があります。そして、卵白と比べると水分が少ないです。
卵白の水分は全体の88%ほどですが、卵黄の場合は48%ほどしかありません。
基本のパウンドケーキは本来、全卵を使うのですが、今回はにんじんのピューレの水分量を考えて卵黄のみを使用しました。
ピューレ系
基本的ににんじんでなくても、ピューレであれば今回のように記事に混ぜ込むことができます。ただし、混ぜ込む時は最後に入れてください。バターとたまごの乳化などが終わった生地をベースに味を付けるイメージです。
また、ピューレがどれくら水分を含んでいるかによって、生地全体の水分量を調整しないといけませんので、ご注意を。
かぼちゃ
生のまま使うと水分を吸ったり吐いたりしますので、その周りの生地がうまく焼けない場合があります。
また、生地に火が通ったからと言ってかぼちゃに火が通ってるとは限りませんので、あらかじめ火を入れておくのをおすすめします。
まとめ
少し材料の説明が難しかったかもしれませんが、これが理解できるとお菓子作りの腕が飛躍的に向上しますので、少しだけ勉強するのをおすすめします。また、僕は製菓学校に通ってましたが、こういった理論的なことは本から学びました。
本屋に、お菓子作りを科学で分解して説明している本がいくつかあるので、本格的に勉強したい方はそちらを購入されるのをおすすめします。
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今日は兄貴が家で弁当を食うとのことでしたので、撮らせて頂きました。#お弁当 pic.twitter.com/utnjrXxIRR
— 沸騰石さの (@hann_sann) 2019年11月27日
それではこのへんで。