【厨房の中は戦場】日本語で「だまれ」って言った結果
こんにちは。
沸騰石の佐野です。
「厨房は戦場」
よく聞く言葉ですが、お客さんに美味しいものをより早く出すためだけに”戦”が巻き起こるって凄くないですか?料理ってそれほど大事なものなんですね。
日本の飲食店で働いてる人は特に、その大変さを知っているのではないでしょうか。
ファミレスから居酒屋まで、値段帯に関わらず今日も”戦”が巻き起こったのではないかと思います。
さて、それはフランスの二つ星レストランでも同じです。
今日はその戦場の中で、日本語で「黙れ」って言って主張してみました。
すると意外や意外。効果があったのです。
まずは「黙れ」って言った経緯から説明しますね。
黙れって言うまでの経緯
レストランというものは、値段帯が上がれば上がるほど、作り手は時間に余裕をもって作るものだと思ってましたがそれは間違いでした。
今働いてるところでは、お客さんが料理を食べ終わったことをサービスから告げられると、即、次の料理を作ります。
なるべく早く。早ければ早いほどいい。
料理を出すスピードって大事だと思います。お客さんはお腹が空いてますし、時間が空いてしまうと逆に空腹感も薄れますし。
ただ、アホだなと思うのが、前のオーダーを作ってる最中に新しいオーダーがかかった場合。
前のオーダーをまだやってる最中に、やれ次の料理の皿が出てないだの、野菜が温まってないだの言ってくる奴がいます。
僕の手は二本しかないんですが。盛り付けまだやってるんですが。
これで少しイライラしました。
ディレクトのオーダーが入ったら、少しは考えたら?
あと、終盤になるとオーダーが連続でかかって、ずっとなにか作っている状態になります。その状況で、新しいお客さんが、前菜も魚も食べずに、準備が大変な料理を注文してくる場合があります。Direct(ディレクト:直接って意味)って言います。
溜まったオーダーがありますから、そちらもやらなければいけません。
では、溜まったオーダーが終わってから、ディレクトのオーダーに取り掛かったとしたら、お客さんは4,50分待つことになります。
なので、今溜まっているオーダー申し訳ないけど、ほんの4,5分遅らせて、ディレクトのオーダーの準備をしたら、それは20分ほどで提供できるようになります。
どっちがいいのか考えたらわかるでしょうに。オーダーかかったらGo!Go!Go!じゃないんだよ。ちょっとは考えてほしいです。
イライラしたので、「黙れ」って言ってみた。
とまあ、そういったことがあったので、日本語で「黙れ」と言いました。
多分相手は、集中していて聞こえてないか、日本語だから反応しないか、日本語と判別してないか。だと思います。言った相手には効果はなかったんですけど、自分の中でちょっとすっきりできので、気持ちが楽になりました。
ですが、静かになった人もいるんですよね。
それが、今日シェフが不在で、代わりに指揮を執っていたスーシェフのヴィクトリア。
彼女は実は、東京のプラザホテルで10日間ほど働いたことがあって、最近、その厨房の中の様子の写真や、ついでに行ったであろう築地の写真とか見せてきました。
いや、10日間の日本生活で「黙れ」って単語理解できるようになるのかな?
まー覚える単語なんてその場その場だろうけど、もしかしたら彼女は知っていたか、それとも俺が日本語でなんか言ったのを聞いて、「あ、今こいつ日本語で悪口言ったな」って思ったのかもしれませんね。
彼女はスーシェフですし、僕含め周りのことを良く見ています。
だから、普段はもっと言ってくるし機嫌悪そうにしてくるのに、「黙れ」って言ってから大人しくなったのかなと。
言いたい放題ってわけではない
言ったところで問題の解決にはなってないのですし、相手にイライラする前に自分を何とかしましょう。って、自分に言いたいです。
他人は自分を映す鏡。
それでは今日はこの辺で。